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トピックス > 人民元切り上げ実施で、どうなる?
人民元切り上げ実施で、どうなる?中国に対する人民元切り上げ圧力が高まっているようです。2003年9月20日に開催されたG7声明の「為替相場はより柔軟性を持つことが望ましい」という部分についても、市場関係者の多くは、中国に向けられたもの、つまり、人民元の切り上げを指している、と見ているようです。 現在、人民元は1米ドル当たり約8.3人民元に固定されています。一方で、中国では経常取引の自由化やWTO(世界貿易機構)への加盟などにより貿易が活発化し、世界各国の対中国貿易赤字は増加しています。実際、米国では2002年通年の対中国の貿易赤字は前年比24.1%増加して1031億1500万ドルとなり、3年連続で対日赤字を抜いて国別では最大となっています。他の先進国でも同様の状況が見られ、この対中赤字の増加が人民元切り上げ要求の背景にあります。米国製造業界では、実体経済からかけ離れた低い水準に固定された中国元により、中国からの輸入が増加し、それが米国内の製造業の雇用減少等に繋がっているという不満が高まっているわけです。 実際に人民元が切り上げられるかどうかは不透明ですが、仮に切り上げられた場合、日本にはどんな影響が考えられるでしょうか。中国からの輸入は日本の輸入全体の2割弱を占めていますが、これら輸入品の価格は上昇するため、中国製品の日本市場における競争力は低下します。同時に、中国からの原材料を利用している企業にとってはコスト高、食料品や繊維製品など、消費者が直接購入する中国からの輸入品の価格も上昇しますから、物価上昇圧力がかかるリスクはあります。一方で、中国への輸出は日本の輸出全体の約1割程度ですが、機械や電気機器を中心としたこれらの輸出品の価格は低下し、中国の需要が伸びれば、輸出量の増加に繋がる可能性はあります。一方で世界市場における中国企業の輸出競争力も低下します。世界市場において中国製品と競争している日本企業にとってはプラス材料になる可能性がありますが、日本の製造業の多くが中国に進出し、生産拠点を持っています。こういった中国の生産拠点から世界に製品を輸出している日本企業の場合、人民元の切り上げにより、中国で生産している製品の輸出競争力も低下してしまいます。結局のところ、様々な影響が予想されていて、日本経済全体にとってプラスに働くのかマイナスに働くのかは非常に不透明です。 通貨切り上げといって記憶に新しいのは1985年のプラザ合意です。プラザ合意により、円の切り上げが行われ、急激な円高が進行しました。この円高で輸出企業が打撃を受けたため、政府は、輸出産業や製造業を支援する為に、金利を断続的に引き下げ、これが80年代後半から90年にかけてのバブル景気に繋がったわけです。仮に中国元の切り上げが実施された場合には、中国政府がどのような国内対策を講じるのか、そこが注目されるところです。
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