証券取引所の上場
1990年代以降、世界経済のグローバル化やIT化の加速などにより、企業は上場の場や資金調達の場を世界規模で選択し易くなりました。より自由で、コストが安く、投資家が多い市場をグローバルに選ぶことが可能になったわけです。そのため各国の証券取引所間の競争は激化し、生き残りのために合併・統合、株式会社化や上場が進められてきました。
例えば、ドイツでは1993年に8ヵ所の証券取引所が一緒になって、ドイツ証券取引所株式会社を設立しました。2000年9月には、パリ証券取引所・アムステルダム証券取引所・ブリュッセル証券取引所の3つ取引所が合併してユーロネクストという新しい証券取引所が設立され、同証券取引所は2001年7月に、ユーロネクスト・パリに上場しました。ロンドン証券取引所は2001年に上場しました。今年5月には、ニューヨーク証券取引所が電子取引所のアーキペラゴの持株会社と合併しNYSEホールディングスを設立することで合意し、今後は証券取引所に上場することになります。
日本でも、大阪証券取引所が2001年4月に株式会社化され、2004年4月に上場しました。また、東京証券取引所も2001年11月に株式会社化され、今後上場を目指すと言われています。
証券取引所が上場するメリットとしては、一般企業の上場と同じように、資金調達が容易になる、経営が効率化される、情報開示が強化されるなどのメリットがあります。
一方で、証券取引所という極めて公益性の高い機関が、株式会社化されて、上場することで、上場企業として利益追求を第一とすることが求められる中で、取引所としての公益性や公平性が保たれるのかという疑問の声もあります。ニューヨーク証券取引所は自主規制機能を独立性の高い非営利法人として分離することで、公益性・公共性が保たれるということですが、東京証券取引所については、金融庁の意向に反して、自主規制機能を移管しない方向で議論が進み始めています。
そんな中、大阪証券取引所については、投資ファンドが大阪証券取引所の20%超の株式を取得する場合に必要となる株式取得申請を行いました。金融庁は投資ファンドの活動と大証と自主規制業務の間で、利益相反の可能性を払拭できないことを理由に、この取得申請を認めないと通知していますが、拒否した理由が不明確であるとの見方もあり、また、今後同様の申請があった場合にどう対処するかを含め、証券取引所の上場の是非を巡る議論が高まっています。(updated 2005/11/29)
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