「上場」するメリットって何?
2001年の秋、株式市場で最も注目されたIPO(新規公開)の一つが株式会社電通の上場でした。
電通は今年3月期の売上が1.8兆円、経常利益が718億円という世界最大手の広告代理店です。これまで上場していなかったというのは意外な感じもします。しかし、大企業だからといって上場しているとは限らないものです。日本国民の誰もが知っているあの日本マクドナルドでさえ、上場したのは2001年7月のことです。サントリーは今でも上場していません。
では、株式市場に上場するというのは、企業にとってどんなメリットがあるのでしょう。最大のメリットは資金調達がしやすくなることです。企業は様々な事業を行うために資金が必要となります。非上場企業の場合、主な資金調達源は金融機関からの借入になります。一方で、上場企業の場合は、金融機関からの借入に加えて株式市場から直接資金を調達することが可能になります。この資金は借入ではありませんから返済する必要はありません。株式を発行することで設備投資などに必要なお金を調達できるわけです。その他上場には、社会的な信用力の向上、企業のイメージ・アップ、従業員の意識の向上などというメリットもあります。
しかし、いいことばかりではありません。上場することで株主に対する責任や社会的責任が大きくなります。企業は株主のものですから、その株主が満足できる企業経営が強く求められるようになります。経営陣は株価を上げる努力をたえず第一に考慮しなければなりません。株価に影響を与える要因は業績だけでなく、最近では環境への取り組みや地域貢献といった社会的責任なども重視されています。上場企業はこういう面にも適切な配慮が求められるわけです。また、株主の中でも機関投資家ともなると、経営にまで厳しい注文をつけますし、アナリストやファンドマネージャーといった厳しいプロの評価にもさらされることになります。
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