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財務省の発表によると、2003年度の日銀による外国為替市場での介入額は約33兆円でした。これまでの最高が1999年度の8.6兆円ですから、約3.8倍にまで膨れ上がったことになります。このため、この巨額介入についての批判の声が高まっていますが、批判といっても、海外からのものと国内からの批判とでは理由が異なっているようです。

最近の米国をはじめとした海外の主張は、為替相場は市場が決めるもので、過剰な政府介入は望ましくないという考え方。日本政府は介入に依存ばかりしていないで(つまり、ドルを支えて輸出主導による景気回復を狙ってばかりいないで)、より積極的な内需主導の成長に取り組めという圧力を日本政府にかけています。

一方、国内からの批判の多くは、為替市場での介入で巨額の資金を使うのは国民のお金の無駄遣いだというものです。為替介入には、政府の「外国為替資金特別会計」の資金が使われますが、この資金は政府短期証券を発行して調達したものです。つまり、国の借金です。ドル安円高を阻止するためには、この特別会計の円を売ってドルを買い入れます。手にしたドルで、米国の国債を購入します。ドル買い介入をすればするほど、日本政府の米国国債保有は増加します。日本政府が借金をして、米国の財政赤字の穴埋めを行っている構図です。更に、ドル安円高により日本政府の保有する米国国債の含み損は増えています。一方で、米国では、財政赤字が膨らんでいるにもかかわらず長期金利の上昇は抑えられ、米国の企業は低金利の恩恵を受けることが可能となります。

日本政府は米国国債を売ってしまいたくても、そんなことをしたら米国国債の暴落や急激なドル安円高を招きかねません。これは日米関係や世界経済への影響を考えると選択できない道です。一方、批判が強まっているからといって介入をしなければ、急激な円高によりせっかく回復の基調を見せている国内景気の腰を折ることにもなりかねません。そうなれば新たな政府批判が噴出することは容易に想像できます。