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- 相場を読みこなすためのテクニカル分析・入門 -

F相場動向の大まかな把握に留意

具体的なラインの引き方について述べる。強気支持線は上昇相場に用いられるが、大底(その直前の下降トレンドの最後、つまり、最安値)と、その後の二番底(より高いボトム。2番目の安値のこと。時間的な2番目をいうのではなく、水準としての2番目をいう)とを結んだものであり、弱気抵抗線は上昇相場の最後の大天井(最高値)と、その後の二番天井(より安いトップ)を結んだラインである(第1図)。抵抗線なら揉み合いの上と上を結び、支持線なら下と下を結ぶのが基本である。

トレンドラインとして候補がいくつか考えられる場合には、原則として、線の傾きが最も緩やかな勾配となるものをメインと認識する。つまり、二番底(天井)の後に、三番底(天井)が出現し、そこと大底(大天井)を結ぶ線の傾きが二番底(天井)と大底(大天井)を結ぶ線の傾きよりも緩やかなものになるときは、緩やかな方をメインと解釈する。ただし、その際も、二番底(天井)と大底(大天井)を結ぶ線の効果が失われるわけではなく、その線にも注意を払うことが必要である(第2図)。三番底(天井)が騙し(相場観の判断ミスを誘うような本来的な動きとは逆の動きのことをテクニカル・アナリストは「騙し」という)である可能性も高いからである。

ローソク足のヒゲの部分、すなわち、ザラ場の異常値についても同様である。トレンドの把握は相場全体の勢いを知るのが目的だから、細部のイレギュラーには目をつぶったほうがよい(第3図)。終値がトレンドに乗っているか否かがポイントとなる。

時折、図中に無数の線が引いてあるチャートを見かけるが、できる限り不要の線は引かぬことと心得られたい。また、大きな流れを捉えるという観点から、たとえば三角保合などのフォーメーション(チャート上に現れたパターン。)の線は記入しないこともポイントとなる。間違っていたと思われる線はチャート上から消していくとよい。一例をあげれば、かのW・D・ギャンは、そうした混乱を避けるため、線には色をつけて、違いを認識していた。

テクニカル分析では、支持線・抵抗線は将来にも延長され、支持・抵抗としての効力を持つものとして予測に利用される。

 

 

 

 

トレンドラインの解釈  

なお、かつての抵抗線(支持線)は将来の支持線(抵抗線)となるとされる。また、テクニカル的な意味あいが強い(長期的に何度トライしても破ることができなかった)線であるほど、いったん破られると反対に作用する(抵抗なら支持、支持なら抵抗として働くようになる)可能性も高くなると解するのが一般的である(第4図)。

 

チャネル・ライン  

相場の軌跡は、トレンドラインと、トレンドラインの反対側に形成される線とで挟まれる格好となることが多い。トレンドラインが強気支持線の場合、トレンドラインの反対側に形成される線は強気抵抗線、トレンドラインが弱気抵抗線の場合、トレンドラインの反対側に形成される線は弱気支持線となる。これらの線は、反対側の線という意味でアウトラインと呼ばれる。

強気抵抗線・弱気抵抗線は、必ずしも、トレンドラインと平行になるとは限らないが、トレンドを把握する(細かい動きは捨てる)という観点からは、平行線を引くのが望ましいということになる。そうした平行なアウトラインとトレンドラインでできる領域はチャネル(水路の意)と呼ばれ、平行なアウトラインはチャネル・ラインと呼ばれる(第5図)。

 

厳密には、チャネル・ラインはアウトラインと同一のものではないが、現実には区別しないで使われることが多い。チャネル・ラインやアウトラインは、トレンドラインとの比較で言えば重要度は低く、テクニカル的な意味は弱いと解してよい。

トレンドラインのバリエーション

なお、現実には、ラウンド・ボトム(鍋底。後述)などのように、曲線の支持線・抵抗線ができることもある。しかしながら、曲線の支持線・抵抗線は恣意的なものとなる嫌いがあり、初心者は使わないほうが無難だろう。

また、ある点を起点として数本のトレンドラインを引くことができることもあるが、これをファン・プリンシパル(ファン・ライン)という(第6図)。

 

扇の要にあたる部分を基点として、抵抗線の場合は次第に上方に(支持線の場合は次第に下方に)次の抵抗線(支持線)が形成され、テクニカル・ポイントをブレイクしたにも拘らず、値動きは大きなものとはならないので、注意が必要である。ただし、これも3回目のブレイクの時は値動きが大きいといわれている(主要転換日のケースと同様、実際には3回目のブレイクで大きく動く確率は不明であるが……)。

トレンドラインとは何か

ここまで、トレンドの説明をしないでトレンドラインについて記述してきた。ここではトレンドの説明を詳細に行うことはしないが、テクニカル・アナリストの立場でのトレンドの概念についてはジョン・マーフィーの『先物市場のテクニカル分析』(金融財政事情研究会)等が参考になる。私見は、拙著『はじめてのテクニカル分析』(日本経済新聞社)に書いたが、ごく簡単に説明しておく。  

相場にトレンドが存在するかどうかは神学論争めいたものになる。ここでは存在を是として、それが買いと売りの勢力によって生じているとしておく。

結論からいうと、トレンドとは、相場変動に引かれた接線群の傾きの総体と考えられる。数学では、ある区間の変化率をとって、その区間を小さくしていくというのが正しい発想であろうが、要するに同じことである。また、最小二乗法による回帰直線という認識もできよう。その際、トレンドラインは存在確率の高い範囲を示していることになる。

トレンドラインとチャネル・ラインは、ある期間の相場変動に引かれた接線群の傾きを持つ直線のうち一番外側に位置するものを指す。単純にいえば、y=ax+bという接線群の中でbが最大のものと最小のものということである。

 

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