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- 相場を読みこなすためのテクニカル分析・入門 - 

Eトレンドの認識能力が成否のカギ

テクニカル分析で最も重要なことはトレンド(中勢的・大局的な方向性)の認識である。相場は、上昇・下降・横這い(トレンドレス)の3種類のトレンドに区分できる。トレンドに沿ってトレンドラインを引くことができる。

トレンドラインは、上昇相場の最初の最安値とその後の2番目の安値(より高いボトム)とを結び、下降相場の最初の最高値とその後の2番目の高値(より安いトップ)を結んで作成する。

外国為替取引はリバーシブル  

前回、ラリー・ウィリアムズの実証結果を引いて、確率としての「被せ」(主要転換日)の有効性について言及したが、ここで、論理的に「被せ」で売ることが正しいのかどうかを外国為替取引の場合で考えておく。

「被せ」の反対のパターンは「差し込み」であるが、差し込みはさらに「あて首」「入り首」「差し込み」「切り返し」に細分され(第1図)、その解釈は多少職人芸的に細かい。

ドル円の場合、当然ながら、ドル上昇は円下落、円上昇はドル下落であり、また、チャートを描く際に、上方を円高に設定するかドル高に設定するかは自由である。それによって、チャート・パターンの解釈に差異が生じることがあるとするなら、理論的に疑わしいということになる。

円高を上方に書いた場合に「差し込み」が出たとして、そのパターンは、ドル高を上にした場合の「被せ」となっている。つまり、前者はドル上昇を示唆し、後者はドル下落を示唆することとなる(第2図)。

つまり、グラフの上下を変えることで齟齬が生じる解釈は、少なくとも外国為替相場では使用に耐えないということだろう。この外国為替市場の特徴は、エリオット波動でも問題となる。  

さらに言えば、これはラリーの指摘するところでもあるが、市場毎に評価に大きな差が生じるような技法やシステムは信頼できないということができよう。外国為替相場に不向きなシステムは、その他の市場に対しても安心して使うわけにはいかない。

結論として、特に外国為替市場では、ローソク足の解釈の中で、リバーシブルではないものは普遍性に乏しいと見てよいだろう。

トレンドの重要性  

相場における成功と失敗を分ける鍵は、トレンドの認識ができるかどうかである。テクニカル・アナリストに限らず、市場参加者にとって最も重要なことは、トレンドの把握だといっても過言ではない。

トレンドはもともと傾向という意味だが、相場では"中勢的・大局的な方向性"という意味で使う。アップ・トレンド、ダウン・トレンド、横這い(英語ではトレンドレスだが、これも横向きのトレンドに違いない)の3種類に区分できる。

ただ、大きなトレンドは上昇で、その中の小さなトレンドは下落だったりするから、どういった規模のトレンドを判定していたのかを自覚しておくことも必要となる。当然ながら、より上位のトレンドが重要である(第3図)。メイン・トレンドが反転したのか、その中の小さなトレンドが反転したにすぎないのか、といった判断が大切である。

この点に関しては、希代の相場師ジェシー・リバモアが興味深いことを述べている。英語では対極的な方向性を強気(ブル=上昇)・弱気(ベア=下落)というが、リバモアはそうした表現は使わないという。そういう表現を聞くと、多くの人が長期にわたり相場がたどるコースと勘違いするからだという。また、実際には、そう定義できるほどの大きなトレンドは頻繁には起こらず、明らかに強気あるいは弱気の局面と確信していることで、トレンドの反転に対応するのが遅れてしまうという。たとえば、大局観が強気だとすると、その中での下降トレンドで失敗するというわけだ。もちろん、市場参加者のスタンスにもよるが、的確な指摘だと思う。

 

トレンドラインの引き方  

トレンドはトレンドラインに沿った動きとなる。あるいは、トレンドラインに沿った動きをトレンドと呼ぶと言った方が正確かもしれない。トレンドラインは数ある支持線・抵抗線の中でトレンドを規定している重要な線である。

つまり、トレンドの発見は、支持線・抵抗線の認識から始まるということだ。

上昇トレンドの時に相場を支えているかに見える線を強気支持線(Bullish Support Line)、下降トレンドの時に相場の頭を押さえているように見える線を弱気抵抗線(Bearish Resistance Line)と呼ぶ(第4図)。言わずもがなのことだが、強気支持線とは支持線として強い線という意味ではない。日本語だと誤解されやすいのであるが、強気や弱気は相場のトレンドの方向を述べたものである。また一般に、支持は下側に、抵抗は上側にできる、相場の前進を阻む勢力のことをいうが、英語では支持のことを抵抗とも表現することがあるので注意が必要である。たとえば「株価は下落したが抵抗に遭い」という表現は、下落後、支持が入って下げ止まったことをいう。

ついでながら、ブル(雄牛)とベア(熊)の呼称は、それらの動物の戦闘時のスタイルにちなむものだという。つまり、雄牛は角を下から突き上げて攻撃するし、熊は逆に鋭い爪のある腕を上から振り下ろすからだという。世界中の取引所の玄関には、牛と熊の戦う姿を描くタペストリーや彫像があるのはそのためだ。閑話休題。

支持線・抵抗線は過去に相場が反転したところを結んで作られる。基本的には、売り方と買い方の勢力が逆転した水準を結んだものと理解できる。支持線・抵抗線は水平であるとは限らず、むしろ、多くは斜線となる。

 

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