2006年1月15日 「ジム・ロジャーズ、来日す(その2)
ここでは、ジムと相場の関わりに関して、述べておきたい。
1月14日の土曜日の夜10時58分から始まる一時間の新番組の第一回めに、ジム・ロジャーズがとりあげられていたが、そこでの間違いについて。番組では、おもちゃ屋に行って、何が売れているか、新しい投資先はないかを探っていたと紹介されていたが、そんなことはない。もともと彼は好奇心の塊のような人ではあるが、単に子供へのお土産を探しに行ったにすぎない。もちろん、行ったからには、好奇心がふつふつとわいて出て、頭の周りは「???」の洪水になるのではあるが、そうした描き方はあまりにステレオタイプすぎよう。
また、その番組のなかで、ネットで参加しているコメンターが、ジムを尊敬している若者に、将来的に何がしたいのか、と質問していた。それはそうではあるが、投資をすることとは直接的には何も関係がない。世の中によくある勘違いである。もうすこし本質に迫るコメントは期待するほうが間違いなのかもしれないけれど。ジムを尊敬するという若者にしても、そんな質問に答えられないでどうすると感じてしまった。
間違いといえば、日本経済新聞の記事も間違っていた。ジムの講演会を要約したものの中で、商品市場は株式市場と「相関はない」と書いていたが、なるほど、講演のなかでもそう言ったかもしれないが、ジムの真意は違う。商品市場は株式市場と「負の相関がある」というのがジムの主張なのである。本を読めば詳しく出ていることだから、記者としては失格だろう。事前の調査が甘すぎるのだある。
私の授業をとっている学生の意見も少し紹介したい。ジムの講演を聞いての感想だが、「現地に直接足を運ばなければ真実を知ることができないということ」を思ったという。私は、こう返事した。 「それはそういう面もあるけれども、それ以前にもしなければならないことはたくさんあって、それすらもちゃんとやっている人は少ないのです」と。 これも、とても大事な話だと思う。ジムのいう宿題とはそういうことなのである。現地に行くことばかりがやるべきことではない。そもそも、ジムは投資先を探すために旅行をしているのではなく、旅行をしている過程で投資先が見つかるにすぎないのだ。
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