保険
預貯金とローン
ファンド
保険
株式
外国為替
経済

資料請求

 

投信資料館

HOME > 保険 > トピックス > 代行返上

厚生年金基金の代行返上

日本の代表的な企業年金の一つに厚生年金基金があります。平成15年5月現在、全国に1650基金があり、加入者数は1000万人を超えています。この厚生年金基金は、国の年金制度である厚生年金本体(老齢厚生年金)の給付の一部を企業が代行し、それに企業独自の企業年金給付を上乗せする制度ですが、この代行給付について、その支払義務を国に返上(移転)することを「代行返上」と呼びます。

平成13年に成立した確定給付企業年金法により、この代行返上が可能となり、平成14年4月から将来分についての代行返上が開始され、今年9月1日からは過去分についての代行返上が開始されます。ただし、将来分だけを返上し、過去分を残すということは認められていません。

企業が代行している部分については、厚生年金の「予定利率」に対応して給付しなければならないことになっています。運用が好調であった時代には、実際の運用は予定利率を上回る傾向にあり、企業には、上回った分を退職金の増額や保養所の拡充といった社員の福利厚生に使えるというメリットがありました。しかし、超低金利と株式市場の低迷が長引く中、ほとんどの企業は運用難に直面し、予定利率で運用することが困難な状態が続いています。すると今度は反対に、企業独自の上乗せ部分の積立不足だけでなく、代行部分についても、この予定利率と実際の運用益との差額を埋め合わせなければなりません。これが企業にとっては大きな負担となってしまったのです。そこで、この法改正を受け、多くの企業が代行返上を実施し、差額分の負担の軽減を図ろうとしているわけです。

法律では、代行返上の方法としては、@代行給付義務に相当する額(最低責任準備金)を現金で国に納付するか、A株式などの有価証券で納付(物納)することが認められています。しかし、物納の場合は、厚生年金の積立金はインデックスに連動するいわゆるパッシブ運用が中心であるために、代行返上される分についても、国内株式であれば東証株価指数、国内債券であればNOMURA-BPIといった指数の変動に概ね一致するように組み合わされた資産であることが要件とされています。このため、運用している資産がこれらの指数に連動しない組み合わせである場合、物納ができず、企業は、保有している有価証券を市場で売却して現金化し、その現金で納付することになります。これが、債券市場や株式市場に売り圧力として市場に重く圧し掛かっているわけです。