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コラム1 円の誕生と名前の由来

ドルが誕生したのが1785年です(ドルが正式に米国の通貨となったのは貨幣鋳造法によるので、1792年4月2日をドルの誕生日とすることもあります)。

円はドルに遅れること約80年、明治4年(1871)5月10日、新貨条例制定によって生まれました。「新貨幣ノ呼称ハ円」と定められ、円・銭・厘の新貨幣が鋳造されたのです。同時に、金本位制度(実質は金銀複本位制度)が採用され、従来の四進法が十進法に変わりました。

それまでは両が通貨の単位でしたが、1円は1両とほぼ価値が等しかったため、名称変更による混乱はあまりなかったと思われます。

それでは、どうして、新貨幣の単位を円と呼ぶようになったのでしょうか。定説はありません。

1つは、財務担当の参与だった大隈重信と造幣判事だった久世治作が、従来の方形貨幣は携帯に不便だから、円形にすべきだと主張した、という説です。そこでその名も「円」となったというのです。大隈は「親指と人差し指で丸を作れば、誰にでもお金とわかる。また、外国でも通貨は丸い。磨耗もし難い、サイフからも出しやすい」といって、円形通貨反対派を説得したといわれています。

別の説は、当時、大阪の造幣寮に香港のイギリス造幣局の機械(中古)を輸入し鋳造したからだとする、いわゆる香港説です。香港の貿易用銀貨には、「ONE DOLLAR 壱圓」と表示されていて、それがそのまま日本の円となったという説です。ちなみに、大蔵省の広報に円の名の由来を尋ねると、香港説が正しいのではないかとの返事でした。

なお、香港での圓の名の由来は形が円形だったからだといいます。ここで結局、円形説に戻るわけです。

また、円という呼称は両のニックネームとして天保年間くらいから使用されていたともいいます。それがそのまま新貨幣の名称に使われたとのことです。

ちなみに、銭は米国のセントにヒントを得て自分が考えた名前だと大隈重信が述べていますが、単語自体は古くからあったものです。