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不良債権不良債権の増加に歯止めがかからない状態が続いています。今年8月の金融庁の発表によると、平成14年3月末の全国銀行の不良債権残高は43.2兆円で、平成13年3月末の33.6兆円に比べ9.6兆円も増加しています。これは不良債権の判定基準の厳格化によるところも大きいのですが、景気低迷による企業業績の悪化により新たな不良債権が発生していることもその背景にあります。このため、銀行による不良債権処理が追いつかない状況です。同時に、この不良債権処理の遅れを一つの要因として株価の下落も止まらず、これが銀行の自己資本比率の低下⇒銀行体力の弱体化⇒不良債権処理の遅れといった負のスパイラルが銀行を襲っています。更に、デフレの進行による地価の下落は、担保価値の減少⇒不良債権の増加と、これもまた銀行にとって深刻な問題になっています。 銀行にとっては自己資本比率を一定基準に維持することは死活問題になります。なぜなら、国際決済銀行(BIS)による国際統一基準があり、海外営業拠点を有する銀行は自己資本比率(資産に対する自己資本の割合)を8%以上に維持しなければならないのです。自己資本比率が8%を下回ってしまったら、海外営業拠点からの撤退をも余儀なくかねません。これだけ金融のグローバル化と企業の海外進出が進んだ現在において、海外事業からの撤退は大手銀行にとっては命取りとなります。 銀行はこの自己資本比率を維持するために自己資本を増やすか、資産を減らすかをしなければなりません。自己資本の増やすというのは、株式市場が下落す現在は難しい状況です。現在の株価水準では既に多くの銀行が株式評価損を抱えていると言われており、このまま来年3月の決算を迎えると、自己資本の減少は明らかです。一方で、資産を減らすためには、貸し出しを回収するということになりますが、これが銀行の貸し渋りに拍車をかけ、景気回復の足かせになってしまうという声もあります。 政府は竹中経済財政政策担当大臣に金融担当大臣を兼任させたり、整理回収機構の活用などを通じた貸出債権流動化市場の拡充を検討したり、証券税制を含む税制改革を進めたり、公的資金の投入を視野に入れたり、あの手この手で不良債権問題の解決に取り組んでいます。今月、日本銀行が金融機関の保有する株式の買入等を行うことを決定したのも、こういった事情があるためです。世界的な景気悪化と株安の同時進行に回復の兆しが見えない中、海外勢による日本株買いも期待できず、日本の銀行は正念場を迎えているというわけです。
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