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企業短期経済観測調査(「短観」) 

日銀が発表している資料のうち、最も注目度が高い経済指標であるが、その成り立ちは案外知られていない。数字が「一人歩き」しやすい指標の一つとも言えよう。

「短観」の数字はいわゆるDiffusion Indexと呼ばれるもので、基本的には前の期と当期とを比べて「良くなった」か「悪くなった」か「横這い」かをアンケート形式で答えてもらい、その結果として「良くなった」と回答した人から「悪くなった」と回答した人を差し引いた数字を指数としたものである。このように算出されるということは、プラスの数字が大きければ大きいほど(あるいは、現在の景気にあてはめると、マイナスの数字がゼロに近づけば近づくほど)、企業が経営状況が好転していると認識していることを意味し、直感的にわかりやすい景気のバロメーターとして重宝がられている。市場では、多くのエコノミストや経済調査機関がこの数字の「当てっこ」に相当の精力を割いており、この数字の発表がせまると(特にほかに要因がない限り)市場は総じて動きにくくなる。発表後は、この数字が予想の範囲内かどうか、市場のコンセンサスの数字との乖離等で相場は様々に動くこととなる。

短観には、主要企業やそうでない企業、製造業や非製造業等の区分があり、それぞれが市場で注目されているが、主要企業の製造業の数字がまだ一番注目度が高い。新聞の夕刊のトップを飾るのは大抵この数字である。しかし、プロのエコノミストにとっては、設備投資計画等の改定状況がどうなっているかも注目材料であり、情報の宝庫である。

この短観の数字は今でこそ日銀が作っているが、その昔、日本興業銀行(IBJ)が作っていたという。そのIBJ自身も、ドイツの著名経済調査機関であるIFOのインデックスを参考にしたということである(但し、IFOの数字はマンスリーに発表される)。経済指標の国際交流を考える上で興味深い。

また、これも余談に近いが、この指数の動きは概ね非常にスムーズに景気の山谷や景気の拡大局面、後退局面を当てている。だからこそ注目度も高いわけであるが、その動きがスムーズに過ぎるため、とりまとめにあたっている日銀が数字を操作しているのではないかとの憶測もある(もちろん、日銀は否定している。

発表者:日本銀行

短観ホームページ